セミアンティーク 絨毯 南西ペルシャ 花の鞍袋 手織り トライバルラグ

サドルバッグと呼ばれる馬の背中に掛けて使われたバッグで、縦約108㎝、横約54㎝です。 前所有者様によると1930年代に織られたセミアンティーク、カシュガイ族の手によるとの説明で入手しましたが、アフシャール族の可能性もあるかと思います。どちらもイラン南西部の遊牧民です。 フィールド全体に大きく拡げられた枝に沢山の花を付けた華やかなデザインです。一見左右対称ながら、大小の花などの細かな柄が自由に散りばめられており、いわゆるペルシャ絨毯とは異なる遊牧民女性の遊び心を感じる物です。 上半分はパイル織で袋の表、下半分は平織りで袋の裏、半分に折って縫い合わせると袋になります。現状は解いて開いた状態です。欧米に輸出される際、裏側は無価値な物として切り取られる事が多かったとの事ですので、裏側が残った鞍掛袋は貴重です。 上部には縦長のスリットが並んでいます。袋の裏側(現状では下端)に縫い付けたループを表側の穴から出して、隣の穴から出した次のループは先のループにも通して、と袋の口を閉じる構造です。四枚目の写真をご参照下さい。スリットに細い棒を通して壁のフックに掛ければ、簡単に壁飾りになります。 パイルに磨り減りはほぼなく、細かくみっしりと詰まって素晴らしい状態です。質の良い羊毛が用いられているようで、光が当たると艶々とかがやくばかりです。写真二枚目は太陽光の元で撮影しました。 赤系は合成染料が使用されており、周囲に色流れがあります。裏側と見比べると色褪せがあります。 上下ともにスマック織が見事です。袋の口の装飾と補強としての意図がある様です。下端は切りっぱなしの状態です。 また、キリムに小さな穴が二箇所程、サイドにも損傷があります。飾りとしてならこのままでも大きな問題にはなりませんが、ご希望がございましたら、素人ではありますが当方で簡単にかがらせて頂きます。 クリーニング済で入手しており、我が家では半年程壁飾りとしたのみです。 オールドキリムから始まり、トライバル ラグ・部族系絨毯と言われる毛織物にはまり、数年前にスペインのディーラー様から譲り受けたものです。収納整理のため出品します。オールドキリムや絨毯がお好きな方、古い手工芸品に理解のある方にお譲りしたいと存じます。長い年月を経てきたなりの難がありますが、現状のまま愛でて下さる方の購入をお待ちしております。