セーブルスタイル ブルーセレスボーダー金彩花絵 サーヴィングプレート

●製造年:1760-70年頃
●ボーダーパネルの花絵:Claude-Joseph CARDIN (1749-87年までセーブルで花絵付師として在籍)
●加筆描写（中心の花絵）:19世紀のイギリス窯（窯不詳）
●素材:ソフトペースト（軟質磁器）
●サイズ
W:49.5cm×:39cm
H:5.5㎝


とにかく迫力があり、重さも5㎏を超えますが、それにふさわしい描画、金彩となっております。
ベースの白磁、金彩、ボーダー花絵はセーブルです。ルイ15時代の王室金銀細工師であるジャンクロードデュプレシが考案したボーダーの
しなやかな曲線美、色を一切つけなくても、完璧なロココを体現したフォームです…それだけでも十分に価値があります。そもそも
全体の絵付はCARDINが手掛けたものですがおそらく中心にも花絵があってそれも手掛けていたと思います。
しかし、ボーダー部分は製作時から何も変わっておりませんが、経年でダメージがあったのかあるいは使用による劣化で中心の
花絵は薄れてしまったのでしょう。

19世紀にイギリスにおいてセーブルのコピーラッシュが熱くなったタイミングで、比較的値段が抑えられたものを集中して
蒐集することが流行ります。イギリス窯の商人が、素材や色彩の研究、コピーするための題材として購入したと考えられていますが
このプレートもその一端を担うことになります。

中心に添える花絵はイギリスの技術の結集により蘇りました。最も威力を発揮したと言える完成度だと思います。
奥行の立体感もさることながらバラの花びらや葉に滴る水滴など…瑞々しい感じも含めかなり高い技術を垣間見れる逸品です。
とにかく数多くの窯がセーブルをコピーしましたし、現在も多く市場にも出回っておりますが、出来具合はその時点でその窯が
出せる技術にかなり左右されますし、完成度もピンキリです。

焼成の繰り返しにより、ボーダーの色彩は薄まり、金彩も擦れている箇所が御座いますが、著しいダメージはありません。
白磁に釉薬内の亀裂、裏面糸尻内側に小さなカケがあります。前者は焼成の仕様です。ですが何よりメイン部分にワレやカケはありません。
思います。メインのコレクションとして中心に添えても、大変迫力のある作品です。色々と楽しめる逸品を是非ご検討ください。


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